【『金彩』天神橋筋六丁目】のラーメンを褒める

2022年1月20日

＜芸術的なまでの美しさと完璧なまでに計算され尽くした満点ラーメン＞

数多くの創作ラーメンが世に送り出され、見た目にも楽しく、そして味わいも新しく、毎回我々に驚きを与えてくれます。ラーメン行脚の楽しみの一つです。けれどももう一方で昔ながらの伝統的なスタイルを踏襲し、斬新さとは無縁の正統派ラーメンも依然多く存在し、私達を魅了してくれるのも事実です。そしてこちらもまた我々に驚きを与えてくれます。これまでの括りの中でどうしてこのように進化を遂げられるのか。天神橋筋六丁目にある「金彩」さんはまさにその驚きを提供してくれるお店でした。

到着までのドキュメント

天神橋筋六丁目界隈はラーメン激戦区の一つ。多くの有名店が集まっているものの、実はそれぞれを見つけるのはそう簡単な話ではありません。商店街にある店、道路に面している店、辻を入ったところにある店、少し中心地から離れた店など、ひとくくりにするのは難しいです。それぞれ電車が便利だったり、徒歩が便利だったり、車が便利だったりとそれぞれ違います。私は主に車でお店探しをするのですが、この地域は車は苦戦します。そんな中「金彩」さんは道路に面しており、近くにコインパーキングもあるため見つけやすいのです。加えて先日お伺いした「ザビエル林」さんのお近くということもあって、何の苦もなく伺うことができました。いつも苦労ばかりを報告しているこのドキュメントも今回ばかりはあっさりと・・・いやそれが違うのです。そもそも「ザビエル林」さんに行った日は「金彩」さんに伺っていたのです。夜遅かったために店舗を見つけられず逆の方に歩いて行ったところ「サビエル林」さんを偶然見つけて入ったのでした。お店が空いていない日にも訪問しており、ようやく3度目の正直でお店に入れたというのが真相です。なかなか締まらない報告ばかりですね。

お店やスタッフさんとの交流

実は事前に雑誌で情報を仕入れていたのですが、お店の店主が少し強面で（ごめんなさい、店主さん、私びびりなんです）、粗相をしたら怒られて店から追い出されるんじゃないかなんて心配していました。申し訳ございません、めちゃめちゃ丁寧で優しい店主さんでした。このギャップ、惚れちゃうようw。スタッフの方も元気よくて愛想よくてとても気持ちのいいお店。それでも私自身の緊張が解けずにこわばっていたので、次回はもう少しリラックスして楽しみたいですね。

個人的感想

さてやってきたラーメンのそれはそれは美しいこと。個人的に大阪で最も美しいラーメンではないかと思っています。名店「きんせい」で修行されたという店主。一切の妥協を許さない完璧なラーメンがそこにありました。まず麺。美しさの根源はこの麺にあります。透き通るような極細麺。つるつると口に滑り込んできて一定の弾力を持ちつつも、必要以上にねっちりしておらず、小気味よく噛み切ることができます。とても美味しい麺です。さらにスープ。ＳＮＳに多く画像があげられているのはこの塩スープだと思うのですがそれも納得。こちらも透明度が高く、澄み切った美しさを誇る一方で、味わい深く、決して他の具材に負けず、それでいて邪魔をしない抜群に計算された味なのです。味玉は濃く甘くしっかり煮込まれていて単品でも楽しめる旨さ。ネギは上質でこの完璧なラーメンの象徴のような存在となっています。もちろん味はラーメン全体の一部としてこれまた主張しすぎず隠れ過ぎず。均整のとれた見事なラーメンを作り上げています。正直このラーメンならいくらでも食べられそうですね。