【『三体』劉慈欣】を褒める

読了後の感想(3分で読めるよ)






ついに手を出してしまいました。中国が誇る国宝級SF作品と言われ、フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグやオバマ元アメリカ大統領、さらには著名な映画監督ジェームズ・キャメロンらが大絶賛したこの作品。先日、日本でも三部作の第三部が刊行され完結まで一気読みできるようになったことから、私も読み始めたのです。今回はその第一部のみの感想となります。えっ、一気読みできるようになったのに、ここで止めるのかって!?そんなつもりははなかったのですが、一気読みには少し気力が必要なようです。

まず、褒める前に少しばかり注意点を。先ほど私が気力が必要と評したように、この作品はとにかく難しく読みづらいです。私はここまで読み手に負荷をかける作品はあまり好きではないのですが、かつてその私の持論は福井晴敏さんの作品によって否定されています。負荷をかけた分だけ、カタルシスを得られるのも事実です。その思いがあったため、なんと読了することができたようなものです。ただ残念ながら、今回は第一部だけですのでカタルシスはほとんど得られていないので辛かったです。

今作だけで未完となったら私は読了の感想は書かなかったと思います。けれども見方を変えるととても面白い事がわかります。それはこれは作品の大いなる序章であり、予告編としてはとても優れた導入ツールなのです。最近のゲームのチュートリアルは難しいけれども、それだけでゲームとして成立し、本編への期待を高めてくれますが、それに似ています。

要点だけわかりやすく伝えるなら、『宇宙戦艦ヤマト』の世界に似ています。イスカンダルと交信を図り、ヤマトが宇宙に出て行ったのと逆バージョンですw。どうやら向こうが来てくれます。だけど遠いです。時間がかかります。そのあたりを量子力学だの相対性理論だの使って(この説明は間違っているけど、ニュアンスは伝えられているつもりw)理屈づけしてくれています。なので、その理論の整合性や真実かどうかは私は一切気にしておりません。柳田理科夫さんの空想科学読本に任せるとして、その設定は受け入れて読む事にしました。

現在の私は大きな風呂敷を広げられた状態です。気力をチャージして第二部に挑みたいと思っております。それまでしばらくの時間の猶予をいただけますようお願いします。(全然読了記事になっていなくてごめんなさい)

簡易レビュー

読みやすさ ★★

面 白 さ ★★★★

上 手 さ ★★★★

世 界 観 ★★★★★★

オススメ度 ★★★★