【『流転の海』宮本輝(再読)】を褒める
読了後の感想(2分で読めるよ)
宮本輝さんのライフワークでもあった『流転の海シリーズ』が完結して3年が経ちました。シリーズ通して文庫にして9巻。私は4作目までしか読んでいないため、半分も読めてないということになりますね。初めてこの作品を読んでのが、もう20年以上前なので正直内容とか覚えていなかったし、登場人物も数名しか頭に浮かんでこなかったため、この際5作目から読むのは不可能だとあきらめ、再読することにしたのです。結果的にこれが大正解でした。何故なら、再読することでちゃんと忘れていたストーリーや登場人物が思い出せたのです。これ驚きでした。そして結構細かなところも「あ~、読んだ読んだ」「あ~、あったあった」という感じで覚えていたのです。もちろんそれは再読によくある話ですし、私自身も再読自体は何度も行っています。けれども20数年のブランクとなると、他に例を見ないのでやはり自分のことながら驚きでした。
その分、今少し困っているのが、感想を書きにくいということ。これ、5作目までは結構辛いのかもしれませんね。多分、全部「面白いです」「壮大なストーリーです」「淡々とした語りの中に激動の人生が詰まっています」こんな感じにまとめられてしまいそうだから。なので少し別の試みをしておきます。章ごとのタイトルをつけてみるというものですが、どうでしょうね。同じような境遇の方のちょっとした目次になればいいなと思っています。(勘のいい人にとってはネタバレととられかねないので、一番最後の所に記載しました、お嫌ならそこは見ないでね)。
はい、未読の方にとっては何の紹介にもなっていませんね。この物語は戦後の荒廃した日本で、“松坂熊吾”という豪快で商才に長けた男が、年をとってから設けた伸仁という一粒種の子供を溺愛しながら、再び事業を興していくという大河小説です。あ、これはあくまで4作目までのことで、その後どうなったかは私もまだ知りません(^_^;)。1982年にこの第1作目『流転の海』が刊行され、2018年に第9作目『野の春』にて完結した超大作なのです。京極さんの作品がどんなに分厚かろうと、この9作品を並べたら全く敵わないボリュームですね(そんなこといったら池波正太郎さん『真田太平記』(既読)、いやいや山岡荘八さんの『徳川家康』(未読)のほうが全然すごいんだけどね)。
流転の海シリーズ全作品リスト
第一部 流転の海
第二部 地の星
第三部 血脈の火
第四部 天の夜曲
第五部 花の回廊
第六部 慈雨の音
第七部 満月の道
第八部 長流の畔
第九部 野の春
何はさておき、これから9作品読破に向けてがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
簡易レビュー
読みやすさ ★★★★★
面 白 さ ★★★★★
上 手 さ ★★★★★
世 界 観 ★★★★★
オススメ度 ★★★★★
流転の海 ひょうちゃん作目次
※勘のいい人にとってはこの程度でもネタバレになるのかな、もしそうならここまでで引き返してね。
第一章 息子・伸仁の誕生
第二章 松坂商会の再興
第三章 闇市での対決
第四章 松坂熊吾という男
第五章 井草の裏切りと辻堂の採用
第六章 春菊(美根子)との情事
第七章 妻・房江の生い立ち
第八章 辻堂と美津子の恋
第九章 伸仁の病気
第十章 辻堂と亜矢子
第十一章 松坂商会の区切り
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